韜晦日記

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Rietveldよりもプログラミングメインになりつつある

Rietveld解析初心者による備忘録とつぶやき

VESTAのインストール方法, 使用法, エラーに関すること

お久しぶりです。何だかんだサボってしまい、10日程開いてしまいました。
VESTAのインストールから使い方、エラーに関することについてです。

なお、今回の記事は一部見出し間を折りたためるようにしてあります。
見出しをクリックすることで表示されるようになります。詳細は記事文末へ。



VESTAのインストール

Downloadはこちらからどうぞ。

Download - VESTA

今回は64bit版ver3.4.2をDownloadします。インストーラーは無いので、zipファイルを展開し、C:\Program Files直下に移動する感じです。
起動画面はこのような感じになっています。

f:id:tanisuke_str:20171031215403p:plain
起動画面。特にいうことはないけど。
VESTAと書いてある部分に結晶構造データファイルをドラック&ドロップすると結晶構造が描画されますよ。

VESTAの使い方

結晶構造の描画

結晶構造の描画方法は、対応している結晶構造データファイルを開くだけです。
対応している結晶構造データのファイルは以下のようになっています。
また、VESTAのホームページで詳細を閲覧できます。

VESTA > 3.対応ファイル
VESTA対応入力ファイル一例(赤字は個人的によく使うもの)

*.vesta, *.cif, *.ins, *.xyz, *.lst, *.vcs, *.amc, *.asse, *.cmt, .inp, *.in, *.EXP, *.xtl, *.sto, *.struct, *.res

今回は試しにCu3Fe4P6の結晶構造を描画してみます。
入力ファイルはRIETAN-FPのテンプレートとして用意されているCu3Fe4P6.insファイルを使用します。

insファイルをVESTAの画面にドラック&ドロップするか、File > Openで開きます。

f:id:tanisuke_str:20171031222129p:plain
結晶構造を描画した画面。画面下のOutputの欄に結晶構造のデータも出力される。


VESTAでX線回折のシミュレーション


VESTAはRIETANと連携を行うことで粉末X線回折のシミュレーションを行うことができますが、VESTA自身も同様の機能を有します。
起動画面上部のUtilities > Powder Diffaction Pattarn... をクリックします。すると下の様な画面が開きます。

f:id:tanisuke_str:20171031223836p:plain

ConditionsタブをクリックしX線の波長に関する情報を入力します。
デフォルトではCu管球のKa1, Ka2波長が選択されています。
もし、2重線ではなく単色で計算を行いたいときは、No. of λ1にします。Wave length λ(Å)は加重平均の波長である1.5418Åにするといいでしょう。
計算を実行する場合は左のCalculateボタンをクリックします。
計算実行後にPlotタブX線回折のシミュレーション結果が出力されます。

f:id:tanisuke_str:20171031225741p:plain

また、Reflectionsタブには回折に関する詳細が出力されます。

f:id:tanisuke_str:20171031225858p:plain

またこれらのデータは右上のFileから出力が可能であります。
回折強度の結果(.int), 詳細な情報(.txt), 回折線の画像(.pdf)こんな感じです。
私は初め、この機能に気づかず結構痛い目見ました。


RIETANとの連携方法

VESTAの肝所はRIETAN-FPと連携可能であることです。RIETAN-FPと連携させるためにはRIETAN-FPをインストールしている必要があります。
RIETAN-FPのインストールに関しては下記の記事を参照してください。

RIETAN-FPとの連携を行うには、Edit > Preferencesをクリックします。
次の様な画面が開かれます。
f:id:tanisuke_str:20171031234634p:plain

Settings for RIETANRIETANVIEWERをそれぞれ、Browse...からRIETAN.exeとRIETVIEW.exeを選択します。
f:id:tanisuke_str:20171031234508p:plain

  • 下のTemplate(*.ins)について
    insファイルの出力の際に、下のTemplate(*.ins)が流用されます。結晶構造データ以外はこのtemplate.insと同様になります(ファイルはVESTAファイルにあります)。
    従って、一度精密化した.insファイルをtemplateとして設定すれば装置定数などを再入力する必要が省けます。

これでRIETAN-FPとの連携は完了です。Utilities > Powder Diffaction Pattarn... をクリックするとRIETANのコンソール画面が開き、結果が出力されます。
f:id:tanisuke_str:20171101010718p:plain

が、しかし。計算を実行しても、一瞬コンソール画面が開くだけという致命的なエラーが発生することがあります。

f:id:tanisuke_str:20171101003843j:plain
こんな画面が一瞬表示されるだけ。ちなみにコンソール画面が緑なのは設定を変えているから。
対処法は下記のエラーに関する項目に記述します。


ミラー指数の可視化

意外と便利な機能で、指定したミラー指数の結晶面を可視化することができます。
Edit > Lattice Planes
をクリックします。すると、画面が開かれるので、画面中央右のNewをクリック。任意のミラー指数を入力します。
以下が入力したときの画面です。
f:id:tanisuke_str:20171031223032p:plain
結晶面は入力と同時に描画画面に反映されるので確認しながら入力も行えます。
上記のように入力した結果が以下の画像のようになります。
f:id:tanisuke_str:20171031223510p:plain

VESTAのトラブルシューティング

RIETANの計算が正常に実行されない

どうやら、Windows 用 RIETAN-FP を導入し、VESTAから回折線のシミュレーションを行おうとすると エラーが発生することがあるようです。
最新版のRIETANに於いてUNIX 互換コマンド tee.exe と二つのDLL(libiconv2.dll, libintl3.dll)が C:\Program Files\RIETAN_VENUS フォルダから C:\Program Files\RIETAN_VENUS\Commands フォルダに移動し、これが原因のようです。
対策としては上記の3つのファイルをRIETAN_VENUSフォルダ内にコピー&ペーストすることが挙げられます。
くれぐれもCommandsファイルから削除しないようにしてください。他の動作が保証できなくなります。

その他のエラー要因

RIETAN-FPのシミュレーションが正常に終了しない場合はlstファイルにその原因が書かれていることが多いです。
特に多い原因として`Voxel numbers`に不正な値が記入されていることが挙げられます。
RIETANはPreferencesで設定されているtemplate.insファイルを基にVESTAで描画した結晶構造の回折線を計算します。
従ってtemplate.insに誤りがある場合、描画する結晶データと整合性が合わない場合は計算エラーを引き起こします。
Voxcel numbersは特に結晶ごとに違ったりするのですが、insファイルの生成時に書き換えられないためエラーを引き起こします。
この場合はtemplate.insファイルファイルを開き、Voxcel numbersのNVOXA, NVOXB, NVOXCの値をすべて0にして再計算してみてください。
ちなみに、template.insがProgram Fileフォルダの下層にある場合は管理者権限でも上書き保存ができないこともあるので、いったん他のフォルダに移動し、編集してから置き換えるといいかもしれません。




見出しの折りたたみ

見出しの折りたたみについてです。
参考にしたのは下記のブログです。記事も面白くていつも楽しみにしているブログの一つです。ありがとうございます。
http://www.neetaro.com/entry/toggle-headerwww.neetaro.com
僕は普段はてな記法でブログを書いています。
しかし、上記のスプリクトをコピペしても、正常に作動しなくて無理やりはてな記法に導入する形を取りました。
単に、はてな記法で記述した記事を見出しごとに<p></p>で囲んで記事全体をHTLMの様にしただけなんですけどね。
ともかく、はてな記法でも簡易に導入できる方法について今後検討してみたいと思います。

それではまた今度。
(6555字)